Vol.147 猿田佐世さん「新しい外交、しっかりと交渉し、戦争を防ぐ。」

ゲスト:猿田佐世さん(新外交イニシアティブ代表・弁護士)*電話インタビュー

第146回のゲストは、弁護士で、シンクタンク「新外交イニシアティブ」代表の猿田佐世さんです。猿田さんは、日本と米国ワシントンに軸足をおいて、国際人権等さまざまなロビー活動を展開しておられます。今回はそんな猿田さんに、ロビーイングを通して、日本の民意を国際政治に届ける意味について、そして沖縄基地問題、台湾有事はじめ、山積する日米関係の課題について、たっぷりと伺って参りたいと思います。

番組前半では、猿田さんが、日本政府が伝えない日本の声を伝え続けている中で感じる、時代遅れの日本の外交について伺います。実は米国の議員など為政者、発言力のあるキーマンなどであっても、驚くほど日本のことを知らず、私たちが思うほど日本に関心もないのだと言います。その中で日本は、恣意的なインプットにより、自分たちの言いたいことを米国に言わせる、都合のよい答えを導き出すための外交を続け、結果米国が発するステイトメントを大義名分として、政策を動かしているというのです。2015年の安保法制成立も、昨今の敵基地攻撃能力を持つ議論もこのストーリー上にあったと言いますから驚きです。政権が交代しても一向に変わることがない日本の外交に疑問を持ったことが、猿田さんがこの仕事に打ち込むきっかけだったと言いますが、どうしたら日本国民の多くの望みがありのまま伝わるのか、少なくとも戦争など望んでいない、一般庶民は基地などいらない、軍拡には反対なのだと伝えなければなりません。

そして番組後半では、具体的に「台湾有事」を外交で防ぐことができるのかについて伺います。軍事力信仰による政策は、抑止力にはならないと猿田さんはきっぱりとおっしゃいます。国際法においても軍事攻撃の前には経済制裁を発動する必要があると謳う中、中国に対して経済制裁を強めれば、逆に日本が干上がってしまう現実をどう捉えるのか?そもそも台湾有事が現実となれば、確実に沖縄、南西諸島が戦火に巻き込まれるわけで、丁寧な外交で日本の民意を世界に発信し続け、日本と米国の世論を正しい方向に導かねばなりません。その他番組では、不平等の極みである日米合同委員会や日米地位協定について、また本来の機能である権力の監視をしっかりと全うするメディアの必要性などについても言及します。

今回は、縁遠いと思われがちな「外交」という言葉がとても身近に、しかもとてもよくわかるインタビューとなりました。国家は権力者のものではなく、私たちひとりひとりのものです。どうしたら私たちの声が国内外の政治につながるのか、ご一緒に考えて参りましょう。今回も聞き応えたっぷりの60分、どうぞ最後までごゆっくりお付き合いください。

00:03 前枠 TM~
06:31 前半 Jingle~
33:05 後半 Jingle~
55:33 後枠 ETM~
57:03 アナ尻
60:00 曲尻 ~FO

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