Vol.5 小出裕章さん ロングインタビュー「原発1基を1年運転するウランは、広島原爆約1,000発分。人間の手に負えない“原子力”をもうこれ以上使わない、という選択を!」
ゲスト:小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)
今回の路上のラジオは、長野県松本市にあります小出裕章さんの仕事場からお届けします。
原子力工学の専門家として、3.11のずっと前から、日本の原子力政策や原子力発電の危険性について警鐘を鳴らし続けて来られた小出さん。福島第一原子力発電所事故直後、決して本当のことを伝えようとしない政府やマスコミに憤った市民らは、自然発生的に拡散されたネット上の小出さんの発言を追い続けていました。
そこには、後に次々と明らかになる過酷な原発事故の「真実」がありました。いち早く炉心のメルトダウンを警告したのも小出さんでした。遠くない未来に破綻必至の汚染水の処理問題について、早くから具体的対処法を示していたのも小出さんでした。当時それらを扱ったメディアは驚くほど数少なく、国民には福島で何が起きているのかが正確には伝わりませんでした。
4年前、小出さんは京都大学を退官され、松本に移り住みました。事故から8年以上が過ぎた今では、国もマスメディアも、福島をまるで無かったことにするかのように、報道が減り、被災地の現状が伝わってきません。その中で私たちは・・・。故郷を村ごと失い今も帰れない数多の人々のこと、終息とは程遠い廃炉の行方、それでも再稼働を急ぐという全国の原子力発電所の今、それらが見えない、聞こえない、わからないでは再び同じ惨事が繰り返されてしまいます。
国家に擦り寄る原子力村(小出さん曰く「原子力マフィア」=犯罪者集団)の力は極めて強力なまま、誰一人として事故の責任を取ろうとしません。しかしだからこそ、今、私たちにとって大切なこととは、忘れないこと、関心を持ち続けること。そして今一度確かめること。機械である以上、それは必ず壊れること。人間である以上必ずエラーは起こること。そして核戦争にもつながっている原子力発電を、私たちは未来を担う子や孫に残してしまって良いわけはありません。
番組では、原子力の平和利用に輝かしい未来の夢を描いていたはずが、圧倒的に差別的である原子力発電の愚かさに気づき、反原発に180°舵をきった小出裕章さんの人生をクローズアップ。その中から、国策民営の原子力政策のウソについてじっくりと考えていきます。どうぞじっくりとお聴きください。
■前枠 00分03秒~
■第1章 01分14秒~
・小出さんが松本に移り住んだわけ。
・原子力の未来を夢見た東北大学原子力工学科時代~反原発に180°転換したわけ。
■第2章 21分13秒~
・核分裂で放射能は1億倍に!
・広島原爆のウランはわずか800g。標準100万KW原発1基、1年で1tのウラン。
それは、原発1000発の恐怖。
■第3章 31分37秒~
・チェルノブイリ原発事故を調査してわかったこと。
・世界で起きる事故のすべては構造的欠陥なのに、運転員のミスとしたいわけ。
・ウクライナやベラルーシの住民を救う「チェルノブイリ法」とは?
■第4章 40分24秒~
・福島の今。敷地内タンク110万tの汚染水の行方。
・国策民営の原子力発電の闇。金に群がる原子力マフィアの大罪。
・その片棒を担ぐマスコミに騙さるな。
・そして、そんな中、今私たちは何をすべきなのか?
■後枠 57分08秒~