Vol.172 ふたつの特集・特集1「志賀と珠洲。3.11の教訓は『絶対に動かすな』」 特集2「JAL機と海保機 衝突事故の教訓」
ゲスト:特集1:小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教) 特集2:山口宏弥さん(元日本航空パイロット)
第172回は、2部構成です。
特集1 志賀と珠洲。3.11の教訓は「絶対に動かすな」
電話インタビュー: 小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)
この3月11日で福島第一原発事故から13年を迎えますが、前半では、この番組で一貫して原発の危険性、愚かさを伝え続けてくださっている、元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんに改めてお話を伺います。能登半島地震の際、志賀原発に何が起こったのか?そして最悪の事態を免れたそのわけとは?
東日本大震災による福島第一原発事故は、未だ福島を中心とする被災地に大きな爪痕を残している大惨事ですが、ほんのわずかなことで福島だけでなく、東京を含む東日本すべてが壊滅した可能性も十分あるのだと小出さんはおっしゃいます。能登半島地震でも、福島事故からおよそ13年の間、志賀原発も柏崎刈羽原発も停止中だったことが、本当に不幸中の幸いでした。もし稼働中だったとしたら。そして今回もっとも震度が大きかった珠洲市に原発建設計画があり、住民による反対運動で建設が凍結していますが、建設されていれば、それは世界最大級の合計1千万キロワット原発だともいいます。
今回小出さんには、世界で発生する地震の1割~2割が集中する日本列島に57もの原発を作り、再稼働に突き進む日本の原子力行政の狂気について、そして電力会社の無責任な隠蔽体質についても改めて言及していただきます。世界標準となった100万キロワットの原発を1基、1年稼働させれば、広島原発1,000発分の死の灰を生み出すといいます。取り返しのつかないことになる前に、原発は絶対に動かさない、そう決意し引き続き声を上げていかねばなりません。
特集2 JAL機と海保機 衝突事故の教訓
電話インタビュー: 山口宏弥さん(元日本航空パイロット)
後半は、元日本航空のパイロットで、労働組合の委員長などもつとめてこられた山口宏弥さんに、1月2日に発生した日航機と海保機の衝突炎上事故をテーマにお話しを伺います。全く枠組みが異なる官民の航空機が混在しながら過密化する都市空港の現状、管制官はじめマンパワーの不足、事故調査の在り方や航空業界の構造的な問題など、事故が起こる根本理由に迫ります。そして見えて来たのが、巨大企業の憂慮すべき体質です。羽田事故で機敏に判断し適切なドアを開けすべての人命を救ったのは、何十年のキャリアをもつベテラン客室乗務員だったと山口さんはおっしゃいます。熟練したキャリアを持つ操縦士を年齢でリストラするなど、人命より利益重視の日本航空の体質にも警鐘を鳴らします。その他、最新鋭機材導入の死角や、機長・副操縦士など人員のミス・コーディネーションなど、さまざまな事情が複合的に絡む中起こった事故を教訓に、今後、乗客の安全をどう守って行けばよいのか?山口さんとともに多角的に分析しながら考えます。
今回も盛りだくさんの60分、最後までごゆっくりとお付き合いください。
00:03 前枠 TM~
04:20 前半(原発事故)Jingle~
21:32 後半(航空機事故)Jingle~
56:26 後枠 ETM~
58:03 アナ尻
60:00 曲尻 ~F.O
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