Vol.186「どうなる万博、どうするカジノ」藤永のぶよさん
ゲスト:藤永のぶよさん(おおさか市民ネットワーク代表)
第186回の「路上のラジオ」は、前回にひきつづき「おおさか市民ネットワーク」代表の藤永のぶよさんとともにお送りします。メインテーマは、「どうなる万博、どうするカジノ」。2週連続しての特集ですが、今回も情報公開請求で得た新しい情報が盛りだくさんです。
まず前半は、「どうなる万博?メタンガス発生のメカニズム」と題しまして、開催まであと10ヵ月を切った万博会場、夢洲エリアの看過できない危険度にフォーカスします。
夢洲はもともとゴミや産廃の埋立地であり、中でも第1区は「管理型最終処分場」でした。ダイオキシンはじめあらゆる有害物質、東日本大震災時の放射線を浴びた焼却灰までが大量に埋まっているため、一般人の立ち入りが厳しく制限されていた場所です。そこに万博のレストランと駐車場ができるのです。メタン爆発事故があったのもまさにこのエリアなのですが、なるほどレストランがあるにも関わらず「火気厳禁」だというのです。そして今回の取材でわかったのですが、ここには地中から発生するメタンを取り除くために83本ものメタン抜き管が立っているというのです。
しかし、爆発危険度を示すメタンガスの濃度基準、そして労働安全衛生基準を元に現地の状況を検証した結果、現状の値では建設労働者にとっても開催後の来訪者にとっても、とんでもなく危険な状態であることがわかりました。ここは、子供たちがお弁当を広げて食べる場所にもなるといいます。こんなことが許されていいわけがありません。その他、メイン会場に至るまであらゆるところに、有害物質、台風・地震・津波など気象災害(脆弱な避難計画しかない)、外来害虫など、危険がいっぱい。
大きく上振れを続ける建設費・運営費は、国民、府民、市民の税金であり、その元凶、言い出しっぺの松井元市長は壮大な失策の責任を逃れるためか一切表に出なくなりました。巨額を投じてこんなにも危険な万博をやろうとしていることを、マスメディアはもっと広く報道すべきです。前半ではその他、藤永さんが執念で突き止めた最新データをもとに、数々の大阪万博の闇を暴いて参ります。
そして番組後半は、その万博の跡地に2030年開業とも言われているカジノを含む統合型リゾート施設について「どうなるカジノ、裁判の途中報告」と題してお送りします。現在進行中のふたつの裁判について藤永さんに伺いますが、そのひとつは約束を反故にして790億とも言われる土地改良費を税金で賄うことの是非。そしてもうひとつは、不当に安い値でカジノ業者に土地を貸すに至る不透明な土地鑑定のプロセスについてです。
後者の件では、なぜ不動産鑑定業者が一般競争入札でなく随意契約で選ばれたのか?そこに含まれるあやしい企業、さらに官製談合があったのではないかと疑われる不自然な結果の一致と鑑定ミスの一致、それらにより原価割れとも言える廉価でカジノ業者に便宜を図ることができるようになっているというのです。藤永さんは、本件も含め、未来の孫子の代にまでつけをまわす大阪IR開発、万博とカジノの不正を許してはならないと意気込みます。
今回も聴き応えたっぷりの60分。最後までどうぞごゆっくりお付き合いください。
00:03 前枠 TM~
05:22 前半 Jingle~
32:11 後半 Jingle~
56:05 後枠 ETM~
58:00 アナ尻
60:00 曲尻 ~F.O
※番組冒頭でご紹介した6月29日(土)の思想家・内田樹先生との番組イベントの詳細は、こちらをご覧ください。
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