Vol.8 窮屈化する日本~公権力の圧力とはびこる忖度、それに呼応する人々という構図

ゲスト:斉加尚代さん(毎日放送・報道局ディレクター)

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窮屈化する日本~公権力の圧力とはびこる忖度、それに呼応する人々という構図

今回のスタジオのお客様は、毎日放送の報道局ディレクター・斉加尚代さんです。斉加さんは、「映像」というタイトルを付けたシリーズものの報道ドキュメンタリーの功績などで、ギャラクシー賞や放送ウーマン賞2018などを受賞されています。いつも冷静かつ丁寧な取材で社会に鋭くメスを入れる斉加さんに、今回はたっぷりとお話を伺っています。

成熟した現代社会においては、さまざまな思想が共存し、互いに尊重し合うのが当たり前と認識するも、今の日本はどうにも窮屈になっているように思われます。斉加さんにはまず、あいちトリエンナーレ2019の「表現の不自由展 その後」中止問題とはいったい何なのか?について伺いました。

斉加さんは、公権力の強い言葉、歴史的事実を歪曲するその発言自体が問題であるが、他方それがマスメディアに載るなりたちまちにそれに呼応する人々が時に暴力的な手段でそれを拡散していく、そしてそういった人々が必ずしも本質を理解しているとは言い難い現状もあると言います。

老舗教科書出版社の日本書籍が倒産にまで至ったことは記憶に新しいと思いますが、これもまた従軍慰安婦問題に端を発しいわゆる「反日」バッシングの中、政治的圧力と歪んだ世論によってのこと。こういった流れの中、教育現場にも忖度や委縮が広まり、さらには本来チェック機能であるはずの教育委員会ですら文科省や国会議員、首長の顔色をうかがうありさまであると言います。番組では、教育現場の教員と学校、教育委員会と国がどのような構造的問題をはらんでいるのかについても、実例を挙げて掘り下げ行きます。

なぜこんなにまで窮屈になってしまったのか?斉加さんは、それをテレビドキュメンタリーという手段で社会に訴え続けています。現在レギュラーの放送枠「映像‘19」の放送時間は、逆風の中それこそ窮屈ですが(原則第4日曜の深夜0:50~MBSのみ)、ぜひあなたにも見ていただきたいと思います。

こちらもチェック!
「教育と愛国~誰が教育を窒息されるのか」斉加尚代・毎日新聞映像取材班・著(岩波書店)
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